SHEIN（シーイン）は、世界150以上の国と地域に向けてファッション商品を提供する、中国発のグローバルEコマース企業です。その圧倒的な品揃えと価格競争力は、背後にある精緻なサプライチェーンと国際物流体制によって支えられています。本記事では「SHEIN 国際倉庫 どこ」という問いに対し、各地域の倉庫位置、配送経路、物流戦略まで詳しく解説します。
中国本土：SHEINの物流中枢
広東省・広州（仏山）エリア
SHEINの最も重要な物流拠点は、中国南部・広東省広州（正確には仏山市）に位置しています。この地域は世界有数の製造・物流ハブであり、SHEINの「インターナショナル倉庫」の大半がここに集中しています。
- 多くの製品はここでパッキング・検品され、世界中に発送されます。
- 注文時に「国際倉庫から出荷されました」と表示される場所の多くが、実際にはこの広州近郊の倉庫を指しています。
深圳・上海の拠点
広州に加え、深圳や上海にもSHEINの出荷拠点が存在します。これらの都市は国際空港・通関施設が整っており、アジア各地への迅速な出荷が可能です。
日本向けの配送ルートと倉庫活用
日本から注文を行った場合、多くの商品は中国の国際倉庫（主に広州または深圳）から航空便で発送されます。
配送の流れは以下の通りです：
- SHEINの中国国際倉庫から出荷（注文ステータスで確認可能）
- 航空便で日本の空港（成田・関空など）に到着
- 税関を通過し、日本国内の宅配業者（ヤマト・佐川急便など）に引き継ぎ
- 数日以内に配達完了
このプロセスは標準配送で5～10営業日ほど、エクスプレス便では3～5営業日程度が目安となります。
アメリカ国内の倉庫と配送体制
SHEINは北米市場においても強力な物流網を構築しており、アメリカ国内に複数の配送拠点を設置しています。これにより、米国ユーザーは中国からの直送ではなく、現地倉庫からの迅速な出荷を受けられる体制となっています。
主なアメリカ国内倉庫
- インディアナ州 Whitestown：2022年に開設された最大の倉庫。東部・中西部の配送拠点。
- カリフォルニア州ロサンゼルス：西海岸対応。
- ニュージャージー州ニューアーク
- フロリダ州ジャクソンビル
- テキサス州ダラス
- カリフォルニア州リバーサイド
これらの拠点から発送される商品には、「Warehouse 1」などの表記が追跡ページに表示されることがあります。
欧州・中東・オセアニアのSHEIN物流網
ヨーロッパ
SHEINは欧州市場でも現地倉庫を運営し、配送効率と関税最適化を実現しています。
- 拠点が確認されている国：フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、アイルランド、スイス、ロシアなど
- 配送日数は通常3～7営業日。地域により国内倉庫からの出荷が行われます。
中東
急成長市場である中東では以下の国々に配送体制を整備：
- UAE（アラブ首長国連邦）
- サウジアラビア
- カタール
- オマーン
- バーレーン
これらの国々では、地域の通関業者やローカル倉庫と提携して運営されています。
オセアニア
- オーストラリアにも物流拠点が整備されており、アジア拠点と連携したスムーズな配送が可能です。
ベトナムでの新倉庫計画：東南アジア戦略の鍵
SHEINは2025年、ベトナム南部・ホーチミン近郊に15ヘクタール規模の物流センターを開設予定であると報じられています（Reuters）。これはアメリカの輸入関税制度（特にde minimisルール）の変更に対応する戦略の一環であり、中国外への依存度を下げる構造改革でもあります。
「国際倉庫」の表示とその意味
注文後の配送追跡で表示される「国際倉庫」とは、主に以下のような意味を持ちます：
- **中国の主力倉庫（広州・深圳など）**から出荷されたことを示す。
- 具体的な所在地は明記されず、「International Warehouse」や「Shipped from Warehouse 1」などの抽象的な表現が使われる。
このため、「SHEIN 国際倉庫 どこ？」と疑問に思った際は、実際には中国の広州を指す場合が多いことを理解しておくと良いでしょう。
SHEINの物流戦略と今後の展望
SHEINは、各国の関税制度、配送スピード、返品対応などに最適化した地域分散型の物流モデルへと移行しています。とくに以下のようなポイントが注目されます：
- 米国・EUなどへの現地倉庫増設
- 物流効率化と配送時間の短縮
- ベトナム・メキシコなど新拠点への分散
- 返品対応のスムーズ化（地域拠点による処理）
この体制により、SHEINは今後も価格競争力を維持しつつ、世界市場でのシェア拡大を続けると見られています。
結論｜SHEIN 国際倉庫 どこ？への答え
| 地域 | 主な倉庫拠点 |
| 中国（本部） | 広州（仏山）、深圳、上海 |
| 日本 | 中国からの航空直送、国内はヤマト・佐川などが配達対応 |
| アメリカ | インディアナ、ロサンゼルス、ニュージャージー、ダラスなど |
| 欧州 | フランス、ドイツ、イタリア、スペイン、アイルランドなど |
| 中東・オセアニア | UAE、カタール、オーストラリアなど |
| ベトナム（予定） | ホーチミン近郊に15haの物流センター（2025年以降） |
SHEINの国際倉庫は、中国を中核としながらも、各市場の特性に合わせて世界中に広がりを見せています。今後も地域ごとの需要と制度に応じた柔軟な物流体制の構築が進められると考えられます。
